教育訓練給付金制度の概要

そもそも教育訓練給付金制度ってどんな制度なの?

教育訓練給付金制度とは、働く人が主体的にスキルアップをするのを支援し、雇用を安定させ、再就職を促すことを目的とした雇用保険の給付制度です。

労働者や離職者が自分で費用を負担して、厚生労働大臣が指定した教育訓練講座を受講、修了した際に自動車学校に支払った教習費用の一部が補助金として支給されます。

教育訓練給付金制度の補助金の受給対象となるのは、雇用保険に1年以上加入しており、前職を離職してから1年以内の人です。

また、過去に教育訓練給付金制度で助成金を受けた人は、3年以上雇用保険に加入しており、前回助成金をもらってから3年以上経過していることが条件になります。

尚、この制度が利用できる教習所や講座は限定されており、助成金の上限は給付対象である教習費用の20%(10万円まで)です。

教習費用に含まれるものは入学金と受講料で、検定代や卒検大代、仮免申請、ローンの手数料、交通費、宿泊費、食費などは含まれません。

教育訓練給付金制度の対象になる免許の種類とは?

教育訓練給付金制度で補助金が受けられる免許取得の車種は、普通二種、中型車、大型車、大型二種、大型特殊、牽引免許です。

タクシーの運転をするには普通二種、観光バスや路線バスの運転手は大型二種の免許取得をしなければなりません。

中型車の免許取得をしていれば、4tトラック、消防車、救急車、ゴミ収集車などの運転ができます。

ダンプカー、トラック、タンクローリーの運転には大型免許が必要です。

大型特殊の免許取得をしていれば、ショベルカー、フォークリフト、クレーン車などを運転できます。

牽引免許では、タンクローリー、貨物トレーラーなどの運転が可能です。

どんな免許を持っているか、新たに取得したい免許の数がいくつかによって、かかる費用は変わってきます。

同じ種類の免許を取得する場合でも、もともと持っていた免許が車両総重量、最大積載量の小さいものしか運転できないときは、かかる費用も高くなる傾向です。

 

大型免許とは?

大型免許とは、大型車を運転するために必要な免許のことです。

取得することで、物流や建設といった業界で長期的に活躍できるようになります。

大型車の荷台は大きく平積み型は荷台に覆いなどがなく、運転席の後ろの窓後方が目視できるタイプです。

パネル型では荷台がパネルで覆われており、後方を目視できないのでバックカメラで確認します。

大型車は他の車種よりも運転する車体が圧倒的に大きいため、高い技術が要求されます。

教習車両の大きさは全長12m以上で、運転席も高いので普通の乗用車と同じ感覚で運転することはできません。

年齢や運転経歴、視力など、免許取得の条件も定められているので事前に確かめておきましょう。

 

大型免許の取り方と取得費用

大型免許の取り方は、教習所に通う方法と、一発試験を受ける方法の主に2通りです。

ここからはそれぞれの概要や取得費用について簡単に見ていきましょう。

教習所に通う場合、教習所で決められた時限数の学科教習と技能教習を受講したうえで卒業検定を受けます。

検定に合格した後、適性検査を運転免許試験場で受けてパスすれば免許を取得できます。

普通自動車免許の場合のように、試験場で学科試験と技能試験を受ける必要はありません。

教習所のカリキュラムや費用はもともと取得している免許によって異なります。

 

例えば、普通自動車免許(AT限定)のみを持っている場合、1時限の学科教習と34時限時限の技能教習が必要で、費用は35万円~45万円程度です。

ちゅうがためんを取得している場合、技能教習が14時限で、費用は20万円~25万円程度です。

一発試験では、仮免許試験に合格したうえで10時間以上の路上練習を行ない、本試験に合格し、最後に取得時講習を受ければ免許がもらえます。

仮免許試験と本試験の受験料など、そして取得時講習受講料を合わせて3万円程度の費用が必要です。

 

助成金を受けるために必要な書類

教育訓練給付金制度の助成金を受けるためには、さまざまな書類が必要です。

まず、「教育訓練給付金支給申請書」「教育訓練修了証明書」「返還金明細書」は受講したスクールからもらえます。

受講料を支払った際にもらう領収書も必要です。

クレジットカード払いをした場合は、クレジット契約の明細書が手渡されますので、なくさないように保管しておきましょう。

また、本人および住所確認のために「運転免許証」「健康保険証」「雇用保険受給者資格者証」「住民票の写し」「印鑑証明書」のいずれかが必要です。

さらに、「雇用保険被保険者証」もしくは、「雇用保険受給資格者証」の原本もしくはコピーが必要とされます。

 

教育訓練給付金制度の利用方法と流れ

教育訓練給付金制度を利用するためには、ハローワークに申請しなければなりません。

期限は、口座終了日の翌日から起算して1か月以内ですので、後回しにせず、忘れないうちに出向きましょう。

教育訓練給付金制度の申請手続きとしては、まず、教習所に入校する前にハローワークに出向いて「教育訓練給付金支給要件照会票」を提出します。

このとき、本人確認の書類、印鑑、雇用保険被保険者証が必要です。

ハローワークから回答書が交付されますので、それを持ったうえで、教習所に受講料を全額支払い、教習所に入校し、所定の講座を受講します。

修了後に教習所から「教育訓練修了証明書」および「領収書」が交付されますので、ハローワークに給付金の申請を行なうと、1か月以内に給付金が交付されます。

 

教育訓練給付金制度を利用するときの注意点

教育訓練給付金制度は免許取得を助けてくれる制度ですが、利用時に注意したいポイントもあります。

まず、検定試験に合格できなかった場合は追加で費用がかかることです。

検定に合格できず、通常の場合よりも手間取った場合、補助金を利用しても結果的に高くつくことがあるので気を付けましょう。

また、合宿免許で取得を目指す場合、宿泊費や交通費などは給付金の支給対象外です。

その他、虚偽の届け出などの不正行為が発覚した場合、支給額の2倍以下の金額の納付が命じられます。

同時に、それまでの被保険者期間がカウントされなくなるため、一定期間は給付金制度が利用できなくなります。

大きな不利益を被るため、給付金の手続きは問題なく済ませるようにしてください。

教育訓練給付金制度の給付に該当しない費用

教育訓練給付金の利用にあたって、気を付けなければならないことがあります。

それは、取得にかかった費用のすべてに対して給付されるわけではないということです。

給付対象として認められるのは、教育訓練施設への入学料と最大1年分の受講料のみで、補助教材費などの余分な出費は認められません。

その他、補講費やクレジットカード会社の手数料なども給付対象に含まれないので注意が必要です。

大型免許の取得時は、交通費や宿泊費などが発生することもありますが、そうした費用は給付金の対象外となっています。

所定の時間を超えて受講した教習などの費用も給付対象に含まれないことを覚えておきましょう。

なお、受講に際して各種の割引が適用された場合、割引された後の金額が費用として認められます。

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ここまでご覧になられていかがでしたでしょうか?

教育訓練給付金制度は、2018年の法改正によって拡充されたばかりの新しい制度です。

国からの支援を受けながら自分自身のキャリアアップを目指すことができます。

例えば、こちらの制度を利用して大型免許を取得することができれば、仕事の幅が広がり、手当てが増えて賃金アップが見込めます。

仕事によっては年収が数百万円、生涯年収では数千万円変わることもあります。

また、大型免許保有者は減少傾向のため、貴重な人材として重宝され転職が進むことでしょう。

5年後、10年後の自分の人生を想像したとき、思い通りのキャリアアップを実現するためにも、こうした教育訓練給付金制度をうまく活用して、スキルを蓄えておいてみてはいかがでしょうか?

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まずはどんな仕事があるのか実際に探してみましょう。